島村菜津さん出版記念トークイベント『イタリアのコーヒー文化とナポリの魅力を語る夜』へ

イタリアで起こったスローフードをはじめ、イタリアの、極めて人間くさい魅力的な側面を独自の目線で取材し、発信してきたノンフィクション作家・島村菜津さんが、コーヒーの本を出しました。

そのイベントが2月4日「カフェスロー」にて行われ、菜津さんファンとしては行かねばならぬと行ってまいりました。

中央が島村菜津さん、その左がレジーナさん、右端が「カフェスロー」のオーナーである吉岡淳さん。

最初、本のタイトルにつけたかったと思われる「グローバル化もなんのその」な思いが全開のトークショーで、「世界中に同じ店ばかり増えても退屈だぁ!」とな。ホントにそう。

バール話の楽しい面だけではなく、コーヒーにまつわる環境や就農している子供たちが抱える問題の話、そしてフェアトレードの話などにもしっかりとふれていました。さすが菜津さん。その内容はもちろん、本にぎゅっ~と凝縮して書いてあるので、ぜひ読んでみてください。

現地の森を壊さないコーヒーを。そのコーヒーで人と人がつながっていく未来を。菜津さんの思いが伝わりました。

『コーヒー 至福の一杯を求めて バール文化とイタリア人(光文社未来ライブラリー)』

菜津さんが現地でクイッと飲んできたエスプレッソの数だけバールのストーリーがあるわけで、トークショーの時間内にはとてもおさまらない。まだまだ続きが欲しい。これはもう、もう一度本を読んで、イタリアのバールをめぐるしかないと思っていたところに、ナポリ出身のレジーナさんが登場して、ナポリの魅力とそこにあるおすすめのバールをたくさん教えてくれました。あーやっぱりナポリに行きたい。

ところで、菜津さんやレジーナさんのお話もおもしろかったのですが、会場の「カフェスロー」にとても興味を持ちました。ココ、とても心地よい空気が流れているんですよね。

「カフェスロー」の豆はすべてエクアドルやブラジル、メキシコ、タイのフェアトレードのコーヒーだけだそうで、その豆を扱っているのが福岡の「ウインドファーム」の中村隆市さんという方です。実は中村さんもzoomでトークショーに参加されました。

「カフェスロー」のオーナー、吉岡淳さんも、一見おっかなそうだけど素敵なオーラでした。また「カフェスロー」に行きたい。

今朝も何気なく飲んできた一杯のコーヒーの向こうにある物語を、私はどれほど知っているのだろう? 食にたずさわる仕事をしているクセに、サラッっと見過ごしてしまう自分の戒めにもなったイベントでした。