誠文堂新光社より『茶会のお弁当』が刊行されました。編集と文を担当した本書では、茶の湯のもてなしの心を映した季節の弁当を、美しい写真とともに丁寧に紹介しています。
撮影ではストロボなどの人工光は使わず、自然の光だけにこだわりました。一番よい光が差すまで、ひたすら待ち続ける──そんな地道な作業を経て生まれた写真には、器と料理だけでなく、春夏秋冬の空気感までもが写し込まれています。ページをめくるごとに、光と影がつくる四季の風情を味わっていただけるはずです。
なかでも「山里」は、正式な茶事でなければなかなか出会えない特別な料理。そうした一品を、写真と文章で紹介できたことは、編集者としても嬉しい経験となりました。
すでに読者の方からは、「器と料理の調和が美しい」「季節の流れを感じられて癒された」「いつか自分でもつくってみたい」といった声をいただいています。茶の湯の精神を暮らしの中にそっと取り入れるきっかけとして、多くの方に手に取っていただけたら幸いです。